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荘子斉物論~君には主体性がないと言われたら

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タオの英知を得た者は,すべてのものは一つの真理にしたがって起こっていくという原理を理解します。

彼らは個々の物事に差異が存在するとは見ないで,平凡な事物の中に自分も溶け込んでそのままであることに安住するのです。

ものごとは、そのままでその機能を果たしているのであって、自然をそのままの状態で受け入れ保持するのがタオのあり方であると思うわけです。

つまり、自然の起こり方に人為的な意見をさしはさまず、こうあるべきだという、人から見たやり方でそれを変えようとは思いません。

そうやって、自然の起こり方を保全することで、その世界を理解し充実したものを感じ取り、その理解こそがタオへの理解に通じるのだと知っているのです。

「タオに至ればすなわち止む。如何にして止んだかを知ることなく止む。」

これがタオの境地であるということなのです。
自然にやまないのは、すなわち人為的な操作が入り込むからなのです。

また、個々のものの見かけの違いにとらわれて、執拗にそれに固執することが、タオから離れていく原因であり、このような浅薄な見方を「朝三暮四」というのだと荘子は言います。

「朝三暮四」については、以前も取り上げましたが、こういう話です。

猿たちにトチの実を与えるのに、最初朝3個、夜4個与えていたのだが、猿たちが不満を言い出して言うことを聞かなくなったので、「しかたがない、それでは朝4個、夜には3個やることにしよう」というと猿たちは大喜びしたという話です。

実際には合計7個であることにかわりはないのですが、目先にとらわれていると、自分たちの要求を通した気になって満足してしまったわけです。

自分のこだわったとおりに物事が運ぶと満足するのに、同じ結果であってもたまたま手に入ったのでは満足出来ないというのも、「朝三暮四」ということになりますね。

そこでおきていることは、「タオに至ればすなわち止む」ことを自分のはからいが終わらなくしてしまっていると言うことです。

さて荘子斉物論に出てくる話をもう一つ。
罔両(もうりょう・影の周囲にでる薄い影)が影を批判するはなし。

『何でおまえは、主体性がないんだ。主人が動くとおりにくっついて動いているだけではないか。』
『確かに主人にくっついて動いているだけだが、その主人だって自分の意思で動いているかどうか怪しいものだ。どうしてこうなっているかはわからないものだ。』

斉物論風に皮肉った話を書いてみましょう。

教師が生徒に「君はもっと主体的になりなさい。」と諭します。
「主体的になるとはどういうことですか?」
「自分の意思で動くということだよ。」

まじめな生徒は、一生懸命考えます。
自分の意思で動くとはどうすることだろう。
自分がたまたま思いついたことが、自分の意思だとどうやってわかるんだろう?
いくら考えても、その区別はわかりません。

仕方がないので、生徒は教師の行動を観察し始めます。
教師が、自分より偉い教師と話しているのを聞いていました。
そうか、主体性の元とは、自分より偉い人の考えから来ているんだ。

その人の考えをまねて、自分の言葉のように言えるようになると、自分の意思になったといえるのだろう。
そのうち、誰が言い出したことか、もとはわからなくなって、自分が思いついたことだと信じるようになる。
そうなると、「どうして君は自分の意思というものがないのかね!」と語るとき様になってくるのだ。

(^↓^)
主体性がないと言われても、気にすることはない。
どうせ誰にも、本当のところはわからない。
正直にわからないことを知っている方が、いろいろましなことが多い。
権威に屈することもなくなる。
卑屈になるとは、同時に威張りちらす自分をも育てているのだと心得るべし。
自分を証明したくなったら、そこにあなたの弱点が潜んでいる。


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ホロウィッチ博士の見解 荘子斉物論

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※DailyStripよりのshare

(1)
チャーリー:「これは、興味深い!」
ライナス:「なにがそんなに興味深いんだい?」
(2)
チャーリー:「よく聞けよ、ここに両親たちに向けたホロウィッチ博士の見解が書いてある。」
(3)
チャーリー:「宿題が子どもたちにとって役に立つものであるためには、それらは子どもたちが宿題をきちんとやらないことへの罰則を前提にしたものであってはならない。」
(4)
ライナス:「そいつは良い考え方だ。ホロウィッチ博士、あなたは素晴らしい人だ!」
(5)
チャーリー:「子どもが学校に遅刻したからといって、20頁も余分にリーディングの宿題を課すような罰則を与えてはならない」
ライナス:「それは、僕がいつも言っていることだ」
(6)
チャーリー:「小学生には、全部で1時間以上もかかるような課題を与えてはいけない」
ライナス:「そうだよく聞いとけよ!」
(7)
チャーリー:「子どもは夕食から寝るまでの間の時間に、宿題をやれと命じられるべきではない」
ライナス:「大人たち、何の権利があってそんなことをするんだ!」
(8)
チャーリー:「宿題があるときには、必ず3人のメンバーでチームを組むべきだ、先生と子どもとそれに親とだ」
ライナス:「全くその通りだ!」
(9)
ライナス「校長にそれを守らせるべきだ!」
(10)
チャーリー:「読み聞かせるだけで、誰かをこんなに熱狂させられるなんて、めったにないことだと思うよ」


さて、チャーリーブラウンという人物は、じつは謎が多いのです。
バカみたいに熱狂してみたり、あるいはヘマをやって非難されたことでいじけてみたり、しかしかと思うと次の登場では、大人顔負けの冷静さを見せたりします。
マンガの登場人物だから、作者次第でどうにでもなると言ってしまえばそれまでですが、今回のライナスとのやりとりはどのようなものだったのでしょうか。

ライナスをからかってやろうとして、計画的に、効果を狙ってライナスを陥れたというのは、あまりチャーリーらしくない振る舞いですが、仮にそうだという前提で考えて見ましょう。

チャーリーは、ライナスが記事をのぞきには来ないだろうと考えて、架空のホロウィッチ博士を作り上げ、普段悩まされている宿題を巡る教師や親の仕打ちを非難するような見解を作り上げます。

「これは、興味深い!」と感心してみせると、まんまとライナスが食いついてきました。
宿題への見解を披露すると、ライナスは「やっと救世主が現れたか」と浮き足立ちます。
あとは、言うがままにライナスを信じ込ませてしまったわけです。

さてここで、今回のテーマである荘子の斉物論にでてくる内容を紹介します。

タオの英知を得た者は,すべてのものは一つの真理にしたがって起こっていくという原理を理解します。
彼らは個々の物事に差異が存在するとは見ないで,平凡な事物の中に自分も溶け込んでそのままであることに安住するのです。
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自分のこだわったとおりに物事が運ぶと満足するのに、同じ結果であってもたまたま手に入ったのでは満足出来ないというのも、「朝三暮四」ということになりますね。
そこでおきていることは、「タオに至ればすなわち止む」ことを自分のはからいが終わらなくしてしまっていると言うことです。

このような考えから言えば、さきほどのチャーリー・ブラウンの策略とは、はからいが先に立ってしまった行為と言えるでしょう。
ライナスの反応で、調子に乗ってもっとうまく騙してやろうと、よけいな計算を始めると、次からはもっとうまくできないと満足出来なくなります。
あるいは、自分のやったことによって、今度は自分が騙されているのではないかという疑う心も作り出すことになります。

また、教師や親は、子どもがきちんと宿題をやっていることで、自分の子育てが順調にいっていると思い込んではしまうと、見かけにとらわれて子どもたちの心が見えなくなってしまいます。
子どもが宿題をきちんとやることは、ただ押しつけられたことを見かけ上守っていることに過ぎないわけです。
現に、ライナスが積もり積もった反発を爆発させたように、やりたくてやっているわけではないことを忘れてはならないのです。

チャーリーが「ホロウィッチ博士の見解」を持ち出したのは、チャーリー自身が不自然さを感じていたことから来ているのかもしれません。
そして、それにライナスが反応しました。予想以上にライナスは舞い上がってしまいました。
そこまでは、自然に起きてきたことです。
それは起きたこと、そのまま起こらせればいいのです。
しかし、それもそこで終わりになる。
それを今度もう一度起こらせてみようと考え出すとき、「タオに至ればすなわち止む」と言うことを忘れてしまいます。
それは、すべての条件が揃った結果起きた、一度きりのできごと。
それを切り取って、保存しておこうと思ってはいけない。

「如何にして止んだかを知ることなく止む。」ことを、人為的に変えようとしてはならないと言うことです。
いまの教育システムが有効であるのは、たまたま自然な流れを乱す所まで破壊していないからに過ぎません。
宿題は、何もないよりはあった方が効果を上げたかもしれませんが、それはいくらでも増やせばいいということを保証するものでは全然ないわけです。

便宜的に、右とか左という言葉を使っても、そのバランスを忘れて使ったのでは害悪をもたらします。
また、右も左も両方並び立つことを認めながら、どちらにもこだわらないのがタオのあり方だと言えるでしょう。

もしかすると、チャーリー・ブラウンは、タオに従っていたのかもしれません。
ライナスが反応したのをそのまま起きたこととして受け入れ、自らも何かに操られれるかのように、「ホロウィッチ博士の見解」を発展させていった。
ライナスが、ここまで熱狂的になってしまうとは思っていなかったが、その結果に驚いた彼は、これは滅多にできない経験だと、それを味わいきったのです。
そして、そこでタオに至ってすなわち止んだのです。


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