罪悪感に取り組む
目の前の現実に対して寛大な見方ができないために攻撃が自分に向けられてしまいます。
柔軟な発想に切り替える余裕がなく、ひとつの思い込みだけを信じてしまう結果、自分をいじめてしまうことになるのです。
罪悪感とは自分自身に向けられた怒りの感情です。
自分はこうすべきなのにしていない、あるいはやるべきでなかったことをやってしまったということで自分に対して腹を立てているのです。
この感情も繰り返すたびに自分の中にため込まれていきます。
同じ失敗を繰り返してしまう自分に対して、イライラはどんどんひどくなり、わかっているのにできない自分が腹立たしいのです。
また同じ失敗をしてしまわないかと怖くなり、今度失敗したら自分で自分をひどく傷つけてしまうに違いないと思って不安になってきます。
自分の怒りでありながらどうにも出来ない自分をさらに責めてみたり、自分の無力感を強めてしまいます。
また、まわりの人への八つ当たりとして表す人もいるでしょう。
否定的な感情のサイクルは、自分を憎む感情に変わったり、心身共に自分を痛めつけるストレスのもとになってしまいます。

このように罪悪感は何もいい結果をもたらさないものなのに、なぜ人はこのような感情を繰り返して抱いてしまうのでしょうか。
それは、自分でその感情の働きに気づかないうちに、自分を非難する感情や反応のセットを心の中で蘇らせているからなのです。
自分で重苦しい感情に気づいた時には、何か理由があって自分の失敗を悔いているのだと無理やり納得させているかもしれません。
非難感情と同じように罪悪感もまったく不必要なものです。
そのような感情は、起源をたどれば小さい頃に「自分は?することを守るいい子です」と自分に刻み込んだ信念や期待感なのです。
大人になってからであれば、強迫的な「?でないといけない」という信念に縛られることはないでしょうが、まだ小さかった自分には親や教師などの指示することは受け入れるしかなかったわけです。
もちろん大人になってから、そんな考えはもはや必要ないと切り捨てたものもあるでしょう。
しかしその多くは、ぼんやりとした感情や身体反応がセットになった形であなたの心の中に潜んでいます。
ちょっとした禁止事項をあなたが破ってしまうと、あなたは意識しないうちに過去の状況を思い起こしその状態に入り込んでしまいます。

あるいは疲れていたりして気力がないときには、落ち込み気味の気分に誘発されて罪悪感に入り込むかもしれません。
意識してやっているわけではないので、気がついたときには何か後悔するようなことをやってしまったような気分になっているわけです。
油断していると、天候や部屋の明るさなどにまで影響されてしまいます。
「自分は?することを守るいい子です」という決まりから、?できなかったあなたは悪い人間で、罰せられるべきだというのが罪悪感を呼び起こす図式です。
もちろん悪いことをしたと感じる場合でも、そのやったことがあなたや他人を傷つけるような行為であったとしたら、何も感じないのではそれもまた困ったことになります。
しかしそのような反応は、現在起きた出来事に対する正常な反応であり、ここでいう罪悪感とは別のものです。
ところで罪悪感というのは、単純に決まりを破って悪いことをしてしまった後悔だけでなく、それを変形させた他のゲームをやっている可能性があります。
「自分は?することを守るいい子です」という決まりは、もし私が「?することを守らなかったら」罪悪感を感じるべきだというパターンを作るでしょう。
そして実際の罰ではなく、罪悪感を感じるという代償を払うことで、自分は決まりを守ろうという気はあるのだと言い訳できるのです。
真っ向から自分の中に染みついた遵守しなければならない決まりを破ることはしませんが、ときにやり損ねておいてから罪悪感を感じることで「まだ決まりを忘れてはいないぞ」と開き直ります。
こういう逃げ道を覚えてしまえば、決まりを守ろうとする正しい自分を維持しながらも、時としてそれが出来ないダメな自分を演じ、その後で罪悪感を使うというゲームを作り上げてしまいます。
いきなり自分自身を極端に罰してしまわないためには、罪悪感は必要悪のような存在にも成りますが、やはりそのようなやり方はあなたに本当の満足感をもたらしません。

それでは罪悪感を解決するために、2つの対策を取り上げてみましょう。
◆1つは、罪悪感をゲームに使うやり方をやめて、自分は時には決まりを守れないことがあることを認めることです。
非難感情のところで出てきた「そうでないこともある」という言葉をつけてみるテクニックを思い出して下さい。
非難感情の場合は、相手がいつも期待通りではないことを思い出すために使いましたが、同じように自分自身もいつもいつも正しいわけではないと認めるためにこれを使って見るのです。
私はいつもは?を守っていますが、時として「そうでないこともある」のを認めるのです。
そしていつもなら罪悪感に入り込んでいる習慣を阻止して、正直に失敗を認めることです。
ハッキリと失敗を認める方が、ズルズルと失敗を繰り返す習慣を打ち切ることが出来るのです。
◆もう一つは、自分が罪悪感からいやな気分に入り込んでいることに気づいたら、「いまここ」に意識を集中し直してみます。
いま現在進行している出来事にだけ意識を向けて、何となく感じるいやな気分は現在のものではないことを確認します。
もし何かの失敗をしたのなら、いまここで出来ることをすべてやってしまいましょう。
それが終わったら、もうそのことは完結したのだと宣言することです。
そして、いま目の前のことに意識を集中させます。
次に何をしようとしているか、目の前にある物をよく観察してみましょう。
ぼんやりとした罪悪感には耳を貸さないことです。
そうすれば、今と関係ない物は徐々に姿を消していきます。
いまここに関わっている自分だけが実在するのだとハッキリ意識するのです。
最初からスパッと切り捨てることは出来ないかもしれませんが、フリ戻されそうになったらすぐに「いまここ」へ意識を戻すようにして下さい。
その他以下の様なことも試して下さい。
◆必要ならば身体を動かす作業を始めるのもいいでしょう。
身体を動かしながらだと、いやな気分にいつまでも浸ってはいられなくなります。
◆しつこい罪悪感には、全面降伏してしまいましょう。
「私がすべて悪かったごめんなさい、罰が必要なら与えてください」と宣言すればいいのです。
「部分的には私は間違っていなかった」というような逃げ口上が今までの習慣に引き戻していたのだと認識することです。
◆あなたは「正しい」自分になりたいですか、何を犠牲にしてでも?
この問いかけは、あなたの本当に求めているのが何かを思い出させてくれるでしょう。
「正しさ」がなにをあなたにもたらしてくれますか?
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