自分の中に毒を持て 岡本太郎#2
いたるところ刺激的な言葉に満ちているので、なかなか先に進めないでいます。
”いずれ”なんていうヤツに限って、現在の自分に責任をもっていないからだ。生きるというのは、瞬間瞬間に情熱をほとばしらせて、現在に充実することだ。
過去にこだわったり、未来でごまかすなんて根性では、現在を本当に生きることはできない。
本当にやってみたいと思っていることを、今すぐ始めようと言っているのです。
もし、誰も文句を言わず、失敗したとしても咎められない、何をやってもいいと言われたらどうするだろう。
それこそが、自分が本当に情熱を持って生きられると思うものを生き返らせてみよう。
やるべきことに押し切られて、奥に隠してしまった自分の魂をいまここで表現してみよう。
現在を充実しないまま、未来にいまの自分を売り渡してしまうと、きっといつか後悔することになるでしょう。
計画という名の下に、これから数ヶ月、数年間にわたる自分の未来の生き方を決めてしまうのは、自分の未来を目的と引き替えに売り渡してしまうことでもあるのです。
目的の前に、今は我慢するしかないと言い聞かせて、黙々と働いていると、ふと振り返ったときに自分は何をやっているんだろうと思うに違いありません。
そんな声をだまらせるには、成果を見せるという手段が使われます。
この成果の一覧を見てごらん、こつこつとやり続けたからこれだけの成果が上がったんだ、怠けていたらこの表は空白のままだったんだよ!
しかし、計画などなくても、今を精一杯生き続ければ、同じように振り返ったときに成果の山は築かれることになるのです。
それでも、計画的に生きたいと思うのは、安全に行きたいという思いや、いつもいつも目一杯生きるなんて疲れるじゃないかという思いがあるのかもしれません。
この先どうなっていくのかを、予測したいという思いから、いま自分は目標を持ち、それに沿って生きているからとりあえず安全なんだと信じたいわけです。
それがあまりにも当たり前になってしまうのは、学校教育を受ける間に、すっかりそのような生き方が望ましいのだと刷り込まれてしまうからでしょう。
予定通りに成果を出して提出できることが模範とされるわけだから、いつのまにか冒険をして別のやり方に挑戦しようという意欲はどんどん失われていきます。
いまさら、成果があるかどうかわからない狩猟生活のようなことをしなくても、結果が予測出来る安全な方法をとるんだというわけです。
だけど、ぼくはまったく逆のことをやって生きてきた。ほんとうに自分を貫くために、人に好かれない絵を描き、発言し続けてきた。一度でいいから思いきって、ぼくと同じにだめになる方、マイナスの方の道を選ぼう、と決意してみるといい。
そうすれば、必ず自分自身がワァーともり上ってくるにちがいない。それが生きるパッションなのだ。いまは、ほとんどの人がパッションを忘れてしまっているようだ。

安全な生活を続ければ、かならず「退屈」というものが現れてきます。
「退屈」とは、安全を優先して押さえ込んでしまった冒険心のうずきがもたらす黄色信号のようなものでしょう。
岡本太郎は、それに気づいてあえて「危険な道」を選択することにしました。
「危険な道」を選ばない限り、生きている実感は失われると感じたのでしょう。
それが、「生きるパッションなのだ」と。
自信なんてものは、どうでもいいじゃないか。そんなもので行動したら、ロクなことはないと思う。
ただ僕はありのままの自分を貫くしかないと覚悟を決めている。それは己自身をこそ最大の敵として、容赦なく闘いつづけることなんだ。
前に、禅宗のお坊さんたちに「己を殺せ」と言った話をしたけれど、あれは「禅」じゃなくて人生の極意なんだ。自分を殺す、そこから自分が強烈に生きるわけだ。
それがほんとうに生きることなんだ。自信なんていうのは相対的価値感だ。誰々よりも自分は上だ、とかいうものでしかない。そうじゃなくて、人間は生死を越えた絶対感によって生きなければだめだ。
結果に表れた活動だけが意味があると思うのが、「相対的価値感」なのでしょう。
自信なんて言うものは、「相対的価値感」の前提のもとでしか存在しない。
結果を出せるだろうという確信が自信に他ならないからです。
ですから、結果がどうなるかわからないが、わからないまま「いまこれをやってみたい」と思うことへと行動を起こす生き方には、自信などは存在できないし、意味のないものなのです。
「絶対感」に生きるとは、あらかじめ意味がわかることをやるのではなく、とりあえず行動した結果として、その中から本当の意味が見いだされてくるといったものになるのでしょう。
そのためには、未来の安全を求める過去の亡霊の「己」を殺さなければならない。
うまく生きるために考え出した「己」は、パッションに生きるためには死んでもらわないとならないのです。
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