心から真にーあなた自身を笑うことができた日に、
あなたは成長する。
Ethel Barrymore
あとになっておかしいことは、今もおかしい
あなたの手元にある一番の解毒剤とは、今までに出会った災難の話でしょう。時間がたつにつれ、たいていの悲劇は喜劇に姿を変えてゆきます。
<ジョン・ロジャー>ぼくは講演旅行をしたことがある。飛行機は遅れる、他の人の荷物のほうがぼくらのより先に出てくる。街のどこかの貸しホールでは何百人もの人が、ぼくの講演を待ってるってのに。その講演の内容っていうのが、時間に遅れない、というようなことだったんだぜ。時間はどんどんたっていくんだ。
やっと荷物が出てきた(音響装置を持ち歩いていたんで、荷物を放っておいて先に行くわけにはいかないんだ)。ぼくらのスーツケースはふたが開いてしまって、衣類がコンベアベルト上にばらまかれていた。他の荷物もめちゃくちゃになっていた。いっしょに旅行していた人たちは、もう完全に頭に血がのぼっている。
最後にぼくは言ったんだ。「リラックスしよう。こいつはおかしいぜ。二、三週間したら、今夜の話をして大笑いするだろうよ。あとになって笑えることは、今でも笑えるんだ」で、ぼくらはこの状況を、あたかもウディ・アレンの映画か何かのように眺めはじめた。いくつかの荷物が出てこなかったとき、ぼくらはにやりとしたね。レンタカー会社に予約が通ってなかったときは笑い出した。タクシーがストライキ中だってきいたときには、もう大爆笑。
まわりの人は、ぼくらの気が違ったと思っただろうが、実に楽しかったよ。やっと講演会場についたとき、ぼくは「オープニング・モノローグ」の長いのをやってのけたね。
人生の「悪い」状況を、あなた自身の「オープニング・モノローグ」の単なる材料として眺めはじめてください。不運にはなんと多くのユーモアが含まれているか、気がついてください。何かを笑うのと、何かを嘆いて泣くのと、どこが違うでしょう。態度です。あなたはどちらを選びます?そう、ときには泣くほうのが適切なこともあります。笑うことで物事を否定せよと勧めているのではありません。でも、残忍な運命のパチンコや矢に対しては、笑いこそ最上の反応であることが多いのです。苦難が大きくなったとき、自分にこう言い聞かせましょう。「こいつはすごい!この経過を誰かにきかせてやりたくてうずうずするぜ」
ご存知のように、よく笑う人は、よく笑う人に話しかけるのです。
~「ポジティブ宣言」 ジョン・ロジャー、ピーター・マクウイリアムズ VOICE
とくに解説する必要はないと思いますが、「残忍な運命のパチンコや矢」に直面したとき、私たちは、困惑、落胆、怒りなどに押しつぶされてあたりまえのように、冷静さを失ってしまいます。これが唯一の反応だと言わんばかりにです。
しかし、こういった状況に出くわしたときこそ、「リラックスしよう。こいつはおかしいぜ。二、三週間したら、今夜の話をして大笑いするだろうよ。あとになって笑えることは、今でも笑えるんだ」という言葉を思い出してください。
「何でこんな時に笑えるんだ!」と思わずに!
そうやって、別の反応の仕方を選択し続けていれば、ものごとは常に変化していくものだと言うことが実感できるようになるでしょう。
波の頂上にいるときもあれば、底にいるときもあるでしょうが、同じところに居続けることはありません。待っていれば変化しないではいられないのです。
ずっとてっぺんにいたいと思うのも間違いだし、逆の場合もそこから抜け出さずにはいられない、ということを見通すことができれば「こんな時でも笑えるんだ!」と思い起こせるようになるでしょう。